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壁に耳あり、障子に目ありの巻

更新日:2024年9月16日


 現在大学3年生の長男凌太郎には、彼女がいるらしい。

その彼女のことを我が家では『パー子』と呼ぶ。

なぜ『パー子』かというと、初めて彼女が我が家に来た時、上から下まで紫のワンピースだったそうで、当初『パープル』と呼ばれていたのが、『パー子』となった。

だから、林家パー子に似ているとかではないらしい。

そして未だに私は彼女の本当の名前を知らない。 


長男の彼女のことが我が家の女性陣は気になるらしく、色々と批評がうるさい。 

『あの子の服のセンスはどうかと思うわ』

『だいたい凌太郎が甘やかしすぎなのよ』とか。 


ある日、彼女が我が家に遊びに来て、凌太郎の部屋にいる時には・・・

 

まずかつ子。

部屋で悪いことをしてないかと、コーヒーを入れて凌太郎の部屋に忍び足で近づき、ノックと共に間髪入れず『ガラっ!!』と引き戸を開ける。

 『ちょっと聞いてよ!パー子は、凌太郎のベッドで横になってマンガを読んでたわ!』

 

続いて長女。『なんか今度二人で旅行に行くらしいよ』 

『なんであんたがそんなこと知ってんのよ』とかつ子。

 『ドアに聞き耳を立てたら聞こえたのよ』 


続いて次女『なんか彼女、クレヨンしんちゃんがめちゃめちゃ好きらしいよ』 

『なんであんたがそんなこと知ってんのよ』 

『ドアに聞き耳立てたら聞こえた。』『お前もか!!』 

あな恐ろしきかな。姑と小姑。


凌太郎よ、お前の行動は常に監視されている。

根ほり葉ほり凌太郎に彼女のことを聞いては、『私はあの子のことが嫌い』 

『凌太郎!あんたそんなに奴隷のように扱われていいの!』 

『だいたい、あの子のどこがいいのよ!』 


ところが、そこで凌太郎が一言。『なんかママに似ているところがあるんだよね。』 

かつ子固まる。

そして、かつ子の奴隷と化した私がここにいる。


時代は繰り返すのだなぁ。 

YASUAKI TOKUMARU

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